野村萬斎×シェイクスピア ~密着50歳にして挑む新たな「マクベス」
650年の歴史をもつ伝統芸能「狂言」。その伝承者でありながら、古典の枠を飛び越えて様々な分野で輝きを放つ野村萬斎。 実は、その原点に英国が誇る不世出の劇作家ウィリアム・シェイクスピアの存在がある。英国が生んだ偉大なる劇作家・ウィリアム・シェイクスピア。今年は没後400年にあたり、400年たった今も、その世界観は色あせることなく、新たな解釈で、毎日、世界中のどこかで演じ続けられている。 28歳で野村萬斎を襲名した時、「一人の表現者として、どう狂言に向き合っていくのか?」という、抱えていた悩みを解決するために求めたのがシェイクスピアとの出会いであった。そこで、意を決し、一年間、シェイクスピアが活躍したイギリスの首都ロンドンに留学、現地で 学んだ経験は萬斎に新境地を拓かせた。 狂言の手法を生かした自分なりのシェイクスピアを演じたいという欲求が高まり、帰国後...