夏の祈り
長崎県にある被爆高齢者のための特別養護老人ホーム「恵の丘長崎原爆ホーム」に初めて長期密着したドキュメンタリー。施設の入居者たちは年に数度、ホームを訪れてくる小中学生たちにむけて、自らの体験をそのまま演劇にした「被爆劇」を上演し、1945年8月9日の記憶を語り継いでいる。原爆によって運命を変えられ、すでに人生の晩年をむかえた高齢被爆者たちの日々の営みを基軸に、半世紀以上にわたり放射能の恐怖や痛みと向き合ってきた被爆者の声や思いを伝える。また、原爆投下直後に米国が調査収集した5000件の急性被爆症患者の病理標本臓器が眠る保管室にも、初めてカメラを入れている。ナレーションは寺島しのぶ。