十代の誘惑
辻勢津子は高校三年、開放的な性格で小説をかくことに夢中である。彼女は姉と二人のアパート暮し、姉の婚約者が訪ねてくると、気をきかしたつもりで文学青年の会合に威勢よくでかけたりする。その作品が青年たちのもの笑いのタネになっているともしらずに。勢津子の級友光子は恥かしがりやの無口な娘、同級の晴彦に恋心を抱いているが、面とむかえば一言もいえない。**そば屋の出前アルバイトを晴彦にみつけられ欝ぎこむが、相手は逆に光子への同情と、一層の愛を加えていた。学校生活最後の修学旅行、家計のつごうで参加できない光子はうかなかったが、勢津子の奔放さを懸念する姉は光子の旅費を隠密に負担し、かわりに妹の行動を見はって貰いたいとたのむ。案の条、勢津子は思いきった振舞いに光子をはらはらさせ、**の夜の外出時間、車中で知りあった偽学生にひっかかって、門限にもおくれるしまつ。責任をかん...