SAD CITY
10年振りに故郷に戻って来た東介。母親は2ヶ月前に死んだ父親の弟、司郎と再婚するつもりだ。「私はあいつに殺された」——父親の亡霊が、司郎への敵討ちを急かす。しかし、父親の反発や、司郎への奇妙なシンパシーから、東介はその命令に従えない。一方、10年の間に、司郎の支配によって町は変貌していた。心中が多発、子どもたちは「少年学校」という新しい教育施設に収容され、人々はうつむいて歩いている。子どもの拉致現場に遭遇した東介は、少年学校の秘密を知って愕然とする。昔の恋人・有希の力を借りて、発表会の劇の内容をひそかに変更する東介。司郎への復讐が始まった。