情炎お七恋唄又名Ohichi's Love Song、Jouen Ohichi no koiuta
江戸本郷で商する、八百屋善助の一人娘お七は本郷小町といわれ、近在に知れ渡っていた。やがて、お七に質屋の息子作兵衛との結婚話ができ、両親は、自分達の栄達を夢見、いやがるお七を説伏せようとした。そんなある日、嵐が江戸の街々を襲い、本郷界隈も出水して、お七一家は吉祥寺へと避難した。両親が執拗に進める結婚話に打ちひしがれたお七は、寺小姓吉三郎の澄んだ瞳に強く惹かれた。やがて、江戸下町の水も引き、明日は本郷に帰らなければならないという日、お七は吉三郎と結ばれた。だが、二人の仲は、母おひさに感ずかれてしまった。おひさは、吉三郎にお七との事は無かったことにしてほしいと懇願した。家に帰ってからのお七は、吉三郎への恋慕の情がつのるばかりだったが、両親は早く作兵衛といっしょにさせようと、お七を部屋にとじこめ、踊りやお琴を押しつけ、吉三郎のことを忘れさせようとした。一方、...