弓張月 完結篇 南海の覇者
第三篇・国王の軍に囲まれた白縫姫は勇将陶松寿の果敢な働きで落ちのびることができたが一行は別れ別れとなり母廉夫人も自殺し果てた。一方、袋谷から逃れた為朝は紀平治に逢い、再起を期して姿を消した。為朝を殺したと思い込だ朦雲は国王を謀殺し、自ら王位につくや妖姫をも手に入れ、暴虐をほしいままにした。辛くも危地を逃れた白縫姫は、北の浜で朦雲の毒牙にかかろうとしたが、為朝に救われた。その頃、大里城主となった利勇は、日夜**にふけっていた。やがて、朦雲、利勇の悪政に怨嗟の声は巷に満ち溢れ、決然と起った為朝は朦雲征伐の軍を進めた。そして、両軍の兵が見守る中で、為朝の降魔の利剣は見事に朦雲を斬り伏せるのだった。