貞操の嵐
百合と稔は結婚式を間近かにひかえていた。稔の父が死んだので、フランスに留守中の稔の兄武彦が帰国した。武彦は稀代のドンファンで、美しい百合をみて早くも彼女に関心を抱いた。彼は叔父の栄造と謀って稔を大阪に追いやり、その留守中に百合の貞*を奪った。苛責の念に耐えられなくなった百合は大阪に向った。稔には会えなかった。帰宅した百合には、父の死と母の発狂が待っていた。すべてを知った稔は、兄を罵倒し家を飛び出した。百合の家族に詑びた稔は、すべてを水に流そうと百合にいったが、彼女は承知しなかった。会社勤めをした百合に、武彦はあらゆる方法で脅迫した。百合は肉親のため、稔の幸せのために、すべてをあきらめて武彦と結婚した。しかし、百合は武彦に自分の体に一指も触れさせなかった。百合は今でも稔を愛していた。武彦は百合の復讐を受けヤケになった。栄造は総会屋の山田と組んで、武彦の...