北アルプス山岳救助隊・紫門一鬼 北アルプス白馬連峰殺人山行
舞台は、槍ヶ岳を望む、眺めが美しい山頂付近のヒュッテ。山岳救助隊の紫門一鬼は、休暇に赤岩ヒュッテの小屋主・溝口由吉の元を訪れる。久しぶりの再会もつかの間、登山者滑落の連絡を受け、紫門は慌ただしく山小屋を後にする。何か言いたげな由吉を残して。 次の日、由吉が遭難したという連絡を受けた紫門は、救助隊の仲間と共にヒュッテへ向かう。その日、由吉は中房温泉へ行くことを従業員に告げたまま行方不明となっていた。紫門らは、由吉が温泉街の宿で、ある男と会っていたことを知る。樹林帯を捜索中、紫門らはうつぶせに転がっている遭難遺体を発見・・・それは紛れもない、溝口由吉であった。 由吉は東都医大を卒業し、海外留学の経験もあった。由吉の知られざる過去を知って紫門は驚く。その後、妻子を東京に置いて山小屋の住人になった由吉に、何か事情があるのではとにらむ穂高北署の小室刑事。そこへ...