冰冷房间原名:冷たい部屋,
元バレリーナの早苗は、**の講師を頼まれ都内の小さなバレエ教室にいた。元夫とのあいまいな関係、満足のいかない自らの指導。そんな行き場のない思いが、鏡張りの部屋に少しずつ募ってゆく。 そんなある日、早苗は友人から誘われたクラブで菜都という同世代の女性と出会う。自分とは全く違う人生を送っているはずの彼女に、なぜか通じ合うものを感じる早苗。その一方、バレエ教室では生徒たちの中で最も才能を感じていた夕貴からバレエを辞めることを告げられる。トゥーシューズを脱いでこの部屋を去る決意をした夕貴。現役を突然引退した自分自身を彼女に重ね合わせた早苗の心に、今まで自分の中で深く沈んでいたひとつの問いが浮かびあがってくる。 自分にとってバレエを辞めるとは、何だったのか。いま、立たされた人生の岐路で、女たちが導き出す"わたし"とは。